2021年3月。
私はやさぐれていた。
楽しみにしていた坂本昌行主演の舞台「Oslo」を諦めざるを得なくなり、チケット代&交通費がまるっと浮いたのだ。
くそ!!
兵庫での公演だから、ナポレオンパイを食べに行きたかったのに!
久々のバス旅楽しみにしてたのに!
舞台内容もオスロ合意の話で面白そうだったし、ABC-Zの河合くんも出るんだったのに!!
くそ!!!コロナめ!!!!
という内容を、うだうだと友達に愚痴っていた。
友達は言った。
「推しのためのお金が浮いたなら、推しのために使うべきでは?」
ほう。確かに。
でも私は心躍ることがしたい。
お洒落して女子っぽいことがしたい。
家で推しを見るのも良いけど、私はときめきが欲しいんだ!!!
「それならパーソナルカラー診断に行こう。」
「この前行ったんだけど、めちゃくちゃ良かった。」
「いつか行く推しの現場に、推しの色のメイクをして行こう。」
「君は紫の女やん?紫にも色々あるから、似合う紫を選んでもらおう。」
何それ素敵じゃん。
かくしてお洒落への興味が薄いオタクこと私は、パーソナルカラー診断に行ったのだった。
で、友達3人でキャッキャしながら行った訳だが、結果めっちゃ良かった。
個人的には、絶対に誰かと行くのが良い。
自分の顔だと似合う、似合わないって分かりづらいけど、他人の顔だとよく分かる。
何より友達とコスメ見るの、楽しい。
結果は意外だった。
今まで「イエベの女」だろうと思って生きてきたけど、なんと私は極振りブルベの女だった。
どおりで成人式の着物選びで、赤が似合わない訳だよ!!
と納得。
小さい頃から、やたらと赤が似合う子だった。
悲しいほどにアースカラーの似合わない子だった。
くすみカラーよりはっきりした色が似合った。
なので成人式の着物は絶対赤だろう!!と思って選びに行ったらなんとびっくり。
似合わなかったのである。
そうよね、着物の赤って、どっちか言うと朱色だもんね。
(成人式では淡い白に濃いピンクの柄のを着た。すごいお気に入り。レンタルだけど。)
ショップのお姉さんに紫が良いんです。紫のシャドウが欲しいんですと言うと、ぴったりのものを選んでくれた。
上品で大人っぽい紫。
マットな質感よりラメとかパール系が合うとのことで、しっかりキラキラしてるやつ。
ちょっとお値段は張ったけど、どうせOslo見に行くためのお金よりは安いし!!
とウキウキでお店を後にしたのだった。
さて、私は実は、あまりお洒落に興味がない。
綺麗な服を着るのは好きだし、お洒落するのも嫌いじゃない。
でも、ある程度小綺麗に見えれば良いかな…と思う。
毎日のコーデや着回しより、次に作るアクセのデザインを考えたい。
メイク動画より、グルメ情報が見たい。
新しい服を買うより、スーパーや手芸屋の方が心が躍る。
そういうタイプだ。
私にとってお洒落とは、すなわち武装。
周りからナメられない為の、浮かない為の、武装。
大学生のある日、私は悟ったのだ。
「どうやら私は、いまいちセンスが無いらしい。」
うっかりすると、絵本柄とか目玉焼き柄とかトンチキな服ばかり買う。
いわゆる「似合う服」が分からない。
お洒落な子はそこで色々勉強してセンスを磨くんだろうけど、その勉強が全然楽しくない。
そんな私と同じタイプの人には、ぜひともパーソナルカラー診断を受けて欲しい。
まず大前提として、似合わない色の服を着たっていい。
シチュエーションやメイクでどうとでもなるし、案外他人は気にしていない。
例え好きな色が似合わないと診断されたところで、着てはいけないなんてことは一切無い。
でもお洒落に疎い人間は、「おすすめはこの色!」と指定されるだけで、びっくりするほど買い物が楽しくなる。ソースは私。
「ジャムの法則」をご存知だろうか。
A店は4種類のジャムがありました。
B店には20種類のジャムがありました。
さあ、ジャムの売り上げがたくさんあるのはどっち?
という有名なやつ。
普通に考えれば、たくさんの種類が置いてあるB店だろう。
しかし実際はA店なんだそうな。
たくさんの選択肢があると、どれを買うか決める作業にストレスがかかって、結局買わずに出てしまうらしい。
選択肢の少ない店の方が、決断のストレスが少なくなり、つい手が伸びるんだとか。
これと同じ現象が、洋服屋でも起きる。
流行にもある程度左右されるが、ブルベに似合う服を買うので、店の中で選択肢は約半分。
さらに私は季節カラーも見てもらえたので、さらに選択肢は絞られる。
店の中に、私に似合う服は2.5割。
その中から気になったものを集めて試着して、しっくり来るものを選べばいい。
なんて簡単!!!
もっと言うと、全部の服を見る必要が無い。
まず似合いそうな色のものだけをピックアップして、その中から選べばいい。
さらに簡単!!!!!
「そんな選び方してると、思わぬ掘り出し物を見失うよ!」
うるさい。
そんな物は、やる気がある人が掘り出せばいい。
もしくはお洒落な友達と一緒に行って、選んで貰えばいい。
もちろんマネキンが着ている服に一目惚れすることもある。
2着のどちらを買おうか迷うこともある。
そんな時は、より似合うと診断された方の色を買う。
あくまで迷った時の話。
どうしても心に刺さってしまったら、似合わない色でも買う。
でもそんな選び方をするのは、たいていの場合「似合うか分からないから」。
似合わないと分かっている服を買うのって、あんまり無いと思う。
推しのグッズなら似合わなくても買うかもw
メイクとなればさらに簡単。
似合う色の中から選べばいい。
そもそもお洒落に疎いので、必要になった時にしかコスメは買わない。
コスメ、めちゃめちゃ種類があるので、ブルベ向きのやつだけ見て、欲しい色が無い…ってことがまず無い。
パーソナルカラー診断を受けて、自分に推奨される色が分かったことで、お洒落がすごく楽しくなった。
白より黒、ゴールドよりシルバー、と基準ができると、選ぶのも楽になった。
もちろん着ちゃ駄目な訳では無いので、白も好んで着るし、ゴールドのアクセも着ける。
診断から約1年、お洒落へのストレスは明らかに少なくなった。
オシャレ上級者が受けるイメージの診断系だけど、むしろオシャレに興味ない勢が受けた方が、色々と楽だし楽しいよ!!って話でした。
昨今流行りの骨格診断とかやったら、さらに分かりやすくなるんだろうか?
いや…でもな…
オタク、常に金欠な生き物だからな…