ゆるいオタクの頭の中

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陰陽師 生成り姫 南座公演の感想



京都南座、行ってきました。

チケットを見てびっくりしたのは、開場時間が書いてないこと。

12時半開演だったのですが、一瞬開場時間と見間違っちゃった。危ねえ。

お席は2階席の一番後ろ。

FC枠は外れてしまったので、一般枠で。

 

入って思ったこと。

「いや南座思ったよりちっちゃいな!?!?!?」

2階席の奥だから、もっと見えにくいかと思ってた。顔が見える。近い。

3階席があるので舞台の上方部は見えないけど、それで不自由を感じることも無かった。

 

舞台の感想ですが、とっても分かりやすい舞台だったな…と。

ストーリーも親切だし、言葉遣いは基本的に時代背景に沿っているのに、所々現代的で笑わせてくれるし。

ワイヤーアクションで吊られる人もいっぱいいたし。

古風だったり回りくどい言い回しの好きな私、歓喜

大掛かりな舞台セットがあんまり無かったのも印象的だった。

ダンサーさんが何人か出てきて、登場人物になったり、背景になったり。

コンテンポラリー的で、舞台にすごく馴染んでた。

「気に止めない動き」が出来るのって、すごいと思うんですよね。

背景と溶け込む動き。

 

導入のシーンが終わった後、幕にプロジェクションマッピングで題名が出るのもびっくりした。

テレビみたいなエフェクトが舞台で見られて。

その後要所ごとにも多用されてて、かっこよかった。

技術の進歩すげえ。

 

やっぱり遠かったので、お衣装ははっきり見えなかったんですよね、残念。

平安の時代は守備範囲じゃないので詳しいことは分からないだろうけど。

良い布使ってんだろうなあ〜〜〜〜!!!

女性陣の衣装も、それはそれは綺麗なんだろうなあ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!

 

 

 

さてさて今回は、下調べとかほとんど無しで行きました。

安倍晴明本人に関する本を、ちょっと読んだ程度。

なのでストーリーに関しては完全ノータッチ。

 

で、初めて陰陽師のストーリーに触れたのですが。

 

いや晴明さんと博雅さんクソデカ感情すぎやしませんか!?!?!?

お互い唯一無二の友みたいな言い方してるけど、思い合いすぎやん!すき。

世が世なら、BL界で一大ジャンルになったに違いない。

(ということを妹に言ったら、既になってるんじゃない?過去ジャンルなだけでは?と言われた。それもそうかも。)

 

個人的ヒットは綾子姫。

わがままお嬢様で呪い殺されちゃうんだけど、私はああいう子好きです。

欲望に忠実で、そこに葛藤の無い子が好き。

「愛しの旦那ちゃんにお見舞いに来て欲しい❤️」

「でもお顔に痣あるから絶対会わないけど❤️」

とか可愛いじゃん。2次元だから。

楚々としたお姫様より、わがまま娘が好き。

これは性癖。

 

あとは源の博雅さん。

林翔太くんの印象は、恥ずかしながら滝沢歌舞伎2018で止まってたんですが。

いや、良いねえ…かっこいいわ…

博雅さんめっちゃ良い男だわ…

一度しか会ったことのない芍薬の君を一途に思って、純粋で素直で。

相手の姫を思うあまり最終的に一緒に鬼になっちゃうあたり、愛。

そう、重い。愛が重い。

でも押し付ける愛じゃないから、その重さが心地よい。

 

中の人(って言って良いのかしら?)の林くんをはっきりと存じ上げないけど、本当に所作がマッチしていて、まさに抜け出てきた博雅さん。

あと声が良いね。

爽やかでよく通る、ちょっと高めの声。

林くんを博雅さんにキャスティングした人に、ハム贈りたい。高めのやつ。

晴明さんと対比するとほんっとうによく動く人なのだけど、その動きがすごく軽やか。

お顔の表情までははっきり見えないけど、一つ一つの動きが綺麗。

声を荒げるでもなく、納得のいかないことがあっても耐える。

なんて出来た人なんだ博雅さん。

この人と結婚してたら、まじ幸せになれたと思うよ徳子さん。

 

 

そう、この徳子さんが凄かったのよ。

鬼の時と徳子姫の時と、もうほんとに声から仕草から何から全然違う。

え?これほんとに同じ人?

鬼の時の声なんか、腹に響くめちゃ凄みのある声なのに、徳子姫の綺麗な高くて細い声よ。

女性だからやっぱりしなやかで線の細い体をしてらっしゃるんだけど、サイズまで違く見えてくる。

多分倍くらいサイズ違う(感覚)

 

 

そして何より健くん。

最初のセリフを聞いて思ったこと。

『いつもの健くんのお声じゃねぇ!!!』

インスタとかで、お茶目なセーメー健ちゃんばかり見ていたので油断してたぜ。

いつもより低い、濁点を感じさせる声。

博雅さんがよく動く分?晴明さんの動きは少なめ。

なんだけど、その限られた動きが逆に凄みを増してて、晴明さんの感情が現れててすごく素敵だった。

冷静沈着な動じない人というのが安倍晴明のイメージなんだけど、今回はなんかいい意味で違った感じ。

小説はこれから読むので、これが健くんが演じてる所以なのか原作通りなのかは分からないけど。

動きの量やセリフの量だけ見たら、静の晴明、動の博雅、なんだけど。

精神的な面においては動の晴明、静の博雅。

博雅も心が揺れたりはするんだけど、心が定まっている分揺らぎがない。

健くん演じる晴明は、迷ったり、混乱したり、驕ったり、迷ったり。

めちゃめちゃ人間臭くて新鮮でした。

人の強さとか弱さとか、そういったものに踏み込む舞台だとは聞いていたけど、こんなに人間臭いと思わなかった。カッケー!!

ほんと、動きが全体を通して少ない分、よく動くシーンがめちゃめちゃ映えるんですよ。

3幕とか、ああ、動揺してんだな、とか。

イライラしてんな、とか。

 

何よりその小さな所作の一つ一つの美しいことと言ったら!!!!

すっと伸びた背筋、豆粒みたいな顔。美しすぎる。

時代背景上、あぐらをかく動きがすごく多いんだけど、それがまあ滑らかで綺麗なんですよね。

歩く動作も、体が全然ぶれない。

すごく、晴明っぽい。

まーーじで健くんをキャスティングした方に、蟹を贈りたい。良いやつ。

空気を切るようなキレがあって軽いダンスが健くんの持ち味だと思ってるけど、晴明健くんの動きは、重い。

いや、もたつくような重さじゃなくて、どっしりした重みというか。

重力ちょっと余分にかかってます?みたいな。

その重みが人間臭い晴明さんと合わさって、すっごい魅力的だった。

見に行ってよかった。

 

 

音楽も良かった。

雅楽の楽器じゃなくて、洋楽器を使ってるとこが面白いよね。

歌舞伎の舞台に明るい訳じゃないんだけど、南座って言ったら和楽器かと思ってたので面白かった。

パンフレットを買ったらまず一番にスタッフさんの確認をするんですよ、私。

ん?リコーダー?リュート?へー!!!

現代語で進む舞台とリコーダーの音がすごくマッチしてたと思う。

すっごいかっこよかった。

(弦楽器には明るくない。すまん。)

で、いちいち音楽が良い。

サントラを出せ。2500円くらいで頼む(強欲)

覚えて帰って楽譜に起こせたら良いんだけど、私の頭はポンコツなので忘れてしまった。

残念。

 

本当に、見に行って良かったとっても素敵な舞台だった。

スタッフさんの中に、二十日鼠と人間とか、カノトイハナサガモノラでも関わった方が居て嬉しかった。

何よりFORTUNE以来、およそ2年ぶりの舞台。最高だった。

やっぱり楽器の生音とか、生の声はいいなあ。

そんな気分に浸りながら、原作小説を読みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⚠️一個だけ、すごく個人的に残念だったこと。

一つ前の列に座ってた団体様、なんか慣れてない感じだな?と思ってたら、どうやら出演者さんの身内っぽくて…

若いダンサーさんのおばあちゃまやご親戚が、チケット取って見に来ました!って感じだったのね。

それはすごく素敵なことなんだけどね。

「次のシーン、こんな格好であの辺に立ってるよ!」

「次の幕で喋るシーンがあるよ!」

「あの辺にこういうセットがあるからね!」

とかなんとか客席で喋るのはやめれ。

ネタバレやめれ。喋るのも最小限にしてくれ。

あと袋や持ち物をガサガサ言わすなーーー!

というのが非常に気になってしまった。

しかも後のスケジュールが押してたせいで、そういうのはやめてほしいな〜って伝えられなかった。しょぼん。

みんなどういう経緯で、誰のファンで来てるか分からないから、私も特にマナーには気をつけようと思いましたまる